全国サービサー協会について

設立趣意書

「一般社団法人全国サービサー協会」設立趣意書

平成21年2月25日
一般社団法人全国サービサー協会

 サービサー制度が発足し10年目を迎え、平成20年6月30日現在で会社数は100社に増え、取扱債権額238兆円、回収額も26兆2000億円にまで達している。この間、サービサー会社は、バブル崩壊による金融機関の不良債権処理を促進し、金融危機脱却に大きな貢献をしてきただけでなく、地域経済の担い手である中小企業の再生支援、資産流動化・証券化案件におけるサービシングなど、一般事業会社の企業再生、資金調達の多様化に対応して重要な機能を果たしてきている。

 他方、昨今、サービサー会社の回収行為のあり方について様々な批判が寄せられるようになっている。平成20年3月には行為規制違反を理由とするものではないが、サービサー会社の1社が債権管理回収業の許可取消処分を受けるという事態を招いており、国民のサービサー制度に対する信頼を大きく損なう結果となった。サービサー業界として、国民の信頼を獲得し、サービサー会社の業務の適正を確保し、コンプライアンス態勢を強化することが強く求められている。
サービサー法改正法案が衆議院において継続審議のままとなっており、未だに成立に至っていないが、サービサー制度に対する国民の信頼が十分でないことが大きな要因となっているといわざるを得ない状況にある。

 平成12年10月16日設立した任意団体である全国サービサー協会は、既にサービサー向けにコンプライアンス及び業務に関する各種研修、検定試験の実施、関連書籍の出版等の事業を行い、平成20年9月には苦情相談窓口を設置してサービサー業界の健全化、国民からの信頼獲得に尽力してきたところである。しかしながら、会社数も100社に増え、サービサー会社のビジネスモデルも多様化しており、拡大するサービサー業界全体の業務の適正を確保し、コンプライアンス態勢を強化するためには、現在の全国サービサー協会の機能を強化し、組織体制、人員体制を充実することが不可欠な状況にある。また、サービサー法改正法案第19条の2から第19条の4において「債権回収会社が組織する団体」が規定され、当該団体が「債権回収会社及びその業務に従事する者がその業務に関して遵守すべき基準の作成の支援その他債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために必要な活動を行うとともに、その活動の状況を公表する」ことが求められていることからも、任意団体である全国サービサー協会の機能強化は社会的要請にとどまらず、法律上の義務になることが予定されている。

 サービサー制度に対する国民の信頼を確保して社会的要請に応えるとともに、サービサー法改正法案の可決にも備えるため、任意団体である全国サービサー協会を一般社団法人化し、「一般社団法人 全国サービサー協会」を設立することとする。